＜１０月３１日（日）＞
今回は試験ではなく、サンノゼのシスコシステムズへの出張である。なんと
二週間の滞在である。実は、元々セキュリティサミットなる集合に参加の予定
で約５日間の出張だったのが、急遽その前週のトレーニングも兼ねて行く事に
なり、思いがけずに長期の滞在となった次第である。元来、私は旅行が趣味で
も何でもないため、どちらかというと苦痛である。今まで受験での海外出張が
多かったが、これは本当に大変である。まぁ、それに比べれば気が楽と言えば
いえるかもしれないが、持ち帰らねばならない情報も多く、プレッシャーは決
して少なくない。
目的地はサンノゼである。成田からサンノゼ直行便にJAL/AAのコードシェア
便がある。私だけであればサンフランシスコ行きのJAL純正便を利用するが、
同行する人間もいるので、あまり自分の希望を言うのも悪いと思って、サンノ
ゼ直行便を利用することにした。コードシェア便ということで、専用カウンタ
やラウンジが利用できずそれなりに不便である。
18:00のフライトなので成田に15:00くらいに到着。同行するスズキさんと、サ
トケンはまだ来ていなかったが、面倒なので先に私だけチェックインすること
にした。いつもはシートリクエストに関してはJALにわがままを言い放題である
私であるが今回はAAカウンターでのチェックインなので慎ましやかにする。
ただ、JALを通じて直前に「現時点で隣の予約がない席」にしておいたのだが
AAのカウンターで問い合わせると
「既に窓も通路も、全てチェックイン済みでございます。」
などと、言いやがった。多分、面倒なので適当にあしらおうとしたのであろう。
これには敢然と立ち向かうことにした。
私「３時間前なのに、既にチェックイン済みですか？ 本当ですか？
おかしくないですか？」
AA「お客様、現時点で隣が空いていても、それを保証ができません」
私「そんな議論をしていないですよ。なぜチェックイン済みと言ったのですか？」
AA「どちらにしろ、多分満席になると思います。」
私「だからそんなことを議論してませんよ。どうしてウソを言ったのですか？」
AA「私どもとしては、隣を空けるお約束はできません」
私「だから、どうしてウソを私に言ったのか、それを説明して欲しいだけです。
なぜ、話をはぐらかすのですか？」
と議論が噛み合わず、最後はカウンターのおねぇちゃんは
AA「ご不満があれば、クレームとしてあげてください」
と喧嘩腰にきやがったので、その通りにすることにした。すぐにカウンター担当
のマネージャを呼んでもらって一部始終を説明した。当たり前だが私には何の非
もなくカウンターでのウソを詫びてもらった。まぁ、これで済ませてやろうと思
ったが、マネージャが
「EXITシートで隣を空けさせていただきます。今後もAAをよろしくお願いします」
と予想外の条件を提示してもらった。これで少なくとも往路は楽チンで移動できる。
カリスマのクレーマーと言われる私をなめてはいけないのである。クレームだけで
食っていける自信もある。（ウソ）
そういうしているとスズキさんとサトケンも登場。ところが、彼らの予約は旅行
代理店のミスで取り消されていたのである。AA曰く、代理店側から操作をしてもら
わないと予約を復活することはできないとのこと。日程に余裕がなく、今日のフラ
イトで飛ばないとトレーニングに間に合わない。必死に交渉すると
AA「行きに関してはこちらの判断で復活させます。但し、帰りの便の保証はできま
せん。代理店に連絡を取って復活させてください。」
とのこと。AAもやるじゃないか。まぁ、とりあえず行ければ帰りは何とかなるだろ
う。その条件で乗り込むことにした。
一応、代理店に電話をかけるが日曜なので全てクローズ。24時間の緊急ダイアル
は何と「電話番号は使われておりません。。。」とのこと。ふざけているが、どう
しようもないので、営業推進のエンドウさんにメールを入れておくことにした。
ほとんどの出張、プライベートの移動をJALに乗る私であるが、今回はAA便である。
いろいろ勝手が違うので困ることも多い。離陸して、シートベルトサインが消える
前から立ち上がってトイレにいくヤツラとかいるが、CAさんは何も注意しないよう
である。そういうところ、よくわかんない。いい加減である。JALなら一目散にCA
さんが注意にいくはずである。
フライト中は、いつもはずっと勉強しているのであるが、今回は淡々と本を読ん
だり映画を見たりして過ごした。２時間くらいは睡眠を取ったであろうか。あっと
いう間にサンノゼ到着である。
一般的に、東に向かう時差の調整は難しい。ほとんどの便が午前中に到着するか
らである。１０時間ほど乗って、もう夜だろうと思ったところが朝である。そこで
寝てしまうと時差ぼけに苦しむことになるので、私は寝ないことにしている。
入国審査では
審査官「どんな仕事をしていますか？」
私 「えーっと、IT関連ですかね。そんなところですかね。」
審査官「ハードウェアですか？ ソフトウェアですか？」
私 「むむぅ。どっちとも言えないですが、ハードっぽいですよ」
審査官「オーッ、グッド！」
などと、まぁ適当な感じである。当然であるが、無事に３人とも通り抜けて外に
出る。滞在中はずっとレンタカーを利用するので、循環バスでレンタカーピックア
ップに向かう。ダラーで予め予約してある。２週間借りて約８万円である。安い。
アメリカでは、どこの空港でもほとんど一緒であるがレンタカー屋さんが一箇所に
集中して集まっている。サンノゼも同様である。バスで約５分。手続きを行うが、
私はミッドクラスを予約していたのであるが、多分、ダラー側の手配の関係でミッド
クラスの準備が難しいのであろう。格安でミニバンクラスへのアップグレードを提案
してきた。まぁスーツケースも３人分あるので、ミニバンの方がいいかなぁと思って
アップグレードすることにした。
ホテルの位置は事前にYaooMapで調べておいたのだが、いまいち自信がない。ダラー
で地図をもらいハイウェーまでの道順を詳しく聞いたが、よくわかんない。まぁ、
ひとりじゃないんで何とかなるだろう。途中、何度か道に迷ったが無事にホテルに
到着。チェックインを済ませて部屋に入る。LAN接続でインタネット接続できる
（有料：一日１０ドル）ので、会社にVPN接続し到着報告のメールを入れる。
まだまだ午前中である。今寝てしまうと時差の調整に苦しむので出かけることに
した。サンフランシスコ周辺に行くことした。ハイウェー（１０１）を約一時間で
ある。地図はスズキさんに見てもらいながら行くことする。約４年前にもこの周辺
に出張に来たが、道などをあまり覚えているわけでもない。でも道路脇にあるビル
など見覚えがあるものも多く、非常に懐かしい。
ちなみにハイウェーでは一番左の車線（日本でいうところの一番の追い越し車線）
は、複数人を乗せた車とハイブリッド車のみが走行できるレーンである。公害対策
であろう。１０１は片道５車線〜８車線くらいある。
ほどなくサンフランシスコに到着。ゴールデンゲートブリッジやフィッシャーマンズ
ワーフなど、ちょこちょこ見て回る。さすがに腹が減ったということで、サトケン
ご推奨のサブウェーに入るが注文がよくわからない。流れのままに注文してみると、
これがまずい。正直、私はアメリカンな料理が苦手だ。その中でも、これはまずい
部類だ。何とか食べてみるが、これから２週間の滞在を思うと嫌になる思いである。
夕方になったのでサンノゼに戻ることにする。私はあまり腹が減っていないが、
他の二人が若いのでメシを食いたがるので、晩飯を食おう。ホテルだと、経験上
種類が少ないので、外で食うことにする。デニーズに行く。ところが日本のファミレス
の感覚でいると痛い目に遭う。まず、客がほとんどおらずガラガラである。店員も
教育ができておらず、しかもガラが悪い。まぁメニューだけは豊富である。私は
適当に肉とエビフライのようなものを注文した。スズキさんもほとんど同じもので
あったが、サトケンはチキンを注文。私とスズキさんは飲み物（ジュース）を頼んだ
が、サトケンが「水でいいです」とのこと。
私とスズキさんのはまずかったがギリギリ食べることができたが、サトケンの
チキンは最悪のようである。「これは、もう食べれません」と半分残していた。
若者がメシを残すのだから相当のものなんだろう。だからアメリカのメシをなめるな
と言っただろ。普通、まずくて食えないんだから。しかもサトケンに出された水は
濁っていて、味がおかしいらしい。腹を壊すと仕事に差し支えるから飲まないほうが
賢明だろう。
支払いになって、驚愕の事実が判明する。なんとサトケンは、日本での両替の際に、
かさばると面倒だからと100ドル紙幣数枚だけを持ち込んだようである。日本の一万円
くらいの感覚なのだろうが、普通は使わない紙幣である。大きな札しかもっていないの
で、両替を兼ねてここで払いたいという。やめておいた方がいいと思ったが、応じてく
れればラッキーなので払わせることにした。
店員：「Oh! 100ドル紙幣じゃないか。これはお前が偽造したものか？」
などと冗談を飛ばしてくるが、何とか透かしを確認してもらって受け取ったもらった。
私は過去、100ドル紙幣での支払いを拒否されたこともあり、できる限り持ち込まない
ようにしている。確か、有名な偽100ドル紙幣事件とかもあったので、アメリカ人は
高額紙幣に関しては敏感である。
何とかデニーズを脱出し、サトケンが菓子パンを買いたいという。私はアメリカで
菓子パンなるものを見たことがないが、セブンイレブンに行けばあるんじゃないですが、
というサトケンの意見を取り入れセブンイレブンを探すが見つからない。後日判明した
ことであるが、サンノゼには少なくとも一軒はセブンイレブンがあるらしいが、治安が
よくないので行かないほうがいいとのこと。
ホテルに戻り、荷物の整理を行う。今回も様々な出張グッズを持ち込んでいる。
そろそろ寝よう。おやすみなさい。
＜１１月１日（月）＞
今日からトレーニング開始。車で約１０分でシスコに着く。ちなみにシスコは一箇所
にあるわけではなく、周辺の広い地域に広がっている。だから、ビルディングの番号か
らよく調べていかないと、目的の場所に行き着かないので注意が必要である。端から端
まで歩くと優に一時間はかかるであろう。
トレーニングでは、私は若者二人とは違う教室になる。教官はボビー（女性）である。
よく笑う明るい人である。しかし、いきなり冒頭で
「私は早口だと、よく注意される」
とのこと。ナチュラルに早口ということは、基本的に英語をしゃべれない私はどうした
らいいの？ 早くも暗雲が立ち込めている。全員の自己紹介などもやらされて気が重い。
トレーニングの内容そのものについては触れないことにしよう。私が何のトレーニング
に行ったかということが、会社の営業戦略と何らかの関係がある場合もあるため、公開は
避けたいと思っている。
トレーニング中は、基本的に自由に飲み食いをしても良い。アメリカ人は特によく食う
ので、いつまでも朝メシ代わりに置いてあるクッキーやフルーツを食べている。９時くら
いから１１時過ぎくらいまで、何度も取りに行ってずっと食ってるヤツもいる。
午前中も終わり、さぁ昼飯である。が、これがまたまずい。サンドイッチ？ なのか
どうかわからないが、まずいパンに、まずいハムとまずいチーズが挟んである。こんなの
食えるはずはないが、アメリカ人はこれもよく食べている。私はマスタードを塗りまくっ
て、マスタードの味だけで何とか食ったが、もう勘弁して欲しい。気分すら悪くなって
くる。このサンドイッチは最悪だ。
トレーニング中はインタネットにゲストアクセスが可能である。これは助かるぞ。
すかさず会社にVPN接続するが、セッションまで張れるのであるがアプリが動かない。
うーん？？？
ボビーに聞いてみるがよくわからない。他の受講者が「UDPを使っているのか？」
などと素人質問してくるが、オレをなめるんじゃないぞ。と、思いながらも英語が
よくしゃべれない私は「Oh! その助言はすごく助かります。ありがとう」などと適当
にあしらって自分で調査を行う、無事に接続。これで日本とメール開通である。
実はこのトレーニングには、日本から某社の方々が二名来られていた。クボタさんと
タマイさんである。とても親切に接してくれて、しかも英語が堪能なのでとても助けら
れた。何度もサンノゼに来ているとのことで地理にも詳しい。お二人のおかげでとても
楽しく過ごすことができた。心から感謝したい。
さて、一日目が終了し、メシをどうしようかという話しである。私はもうアメリカン
は嫌である。すかさず情報収集し、日本食を食べにいくことにする。ダウンタウンに
ある「ごんべえ」である。
道端に車を駐車し、パーキングメーターがあったのでよくわからず25セントを投入
すると通りがかったアメリカ人が
「この日本人はお金をタダで捨てやがるのか。まったく、もったいなぁことをしや
がるな。」
みたいな感じで罵られたが、パーキングメーターのルールがよくわからない。夜は必要
ないのだろうか？
ごんべぇは普通においしい日本料理である。やはり日本食は最高である。メニューも
豊富で、丼物だけでも何種類もおいてあるし、定食メニューもある。私は親子ドンブリ
などをがっつり食べさせてもらった。満足である。
＜１１月２日（火）＞
今日もトレーニングの中身は非公開である。相変わらずアメリカ人はよく食う。隣の
おっさんは、朝からずっと何かを食べている。しかし、飲み物だけはダイエットコーク
などを飲むから不思議だ。もっと根本的な食生活を改善した方がいいと思う。アメリカ
人は肥満が多いことも、こういう食生活が原因であると思う。
さて、今日もランチの時間がやってきた。が、これがまたひどい。まずい野菜に、ま
ずいペンネだ。実は私は野菜好きである。フォルクスなどに行くと、ずっとサラダバー
で過ごしているほどである。しかし、この野菜を食うことはできない。ペンネはもっと
ひどい。どういう味覚で味付けをしたらこうなるのであろうか。不思議である。何とか
餓死しない程度に食べるが、気分が悪くなるので程ほどにしておこう。
トレーニング終了。今日はクボタさん、タマイさんと晩御飯を一緒に行くことにして
いる。中華料理に繰り出すことにする。この時点で日本人のみんなは既に現地の料理に
参っている状態である。とにかくアメリカンな料理以外だったら何でも受け入れること
ができる状態である。
車で約２０分。お店の名前は忘れてしまったが、すごく美味しく食べさせてもらった。
さすがに4000年の歴史を誇る中国の料理である。高級な店だったということもあるだろう
が満足である。よく言われることであるが、料理のジャンルで「アメリカ料理」や、
「イギリス料理」というのはあまり聞かない。どちらも基本的に味覚に鈍感な人種なので
あろうか。私はイギリスには行ったことがないが、これもまた不味いと聞く。そういえば
私の隣の席のウッチーが翌週にロンドンに行くことになっているはずだ。不味い飯の話は
ゆっくりと聞かせてもらえるであろう。
＜１１月３日（水）＞
もう書くのも嫌であるが、ランチは不味かった。不味いということだけ記憶に残って
いる。メニューは忘れてしまった。
トレーニングは卒なく進んでいる。よく英語はわからないが、気にせずにわかったフリ
をしていると、突然ボビーから質問されたりする。やべぇ。真面目に聞かないと。
帰りに、友人のマコから頼まれているAdvilの頭痛薬を買出しに行く。あまりにも大量
に購入したのでスーパーのレジのおっさんに何か言われたが法律に違反しているわけでは
ないだろう。
その後で近所のショッピングモールに行くことにする。とても巨大である。モールの
中にOutbackのステーキがあったのでそこで食べることにする。Outbackは日本にもある
チェーン店である。確か品川にあったと思う。いろいろ調べて、ここであればステーキ
も結構おいしいらしいので、敢えてアメリカンな料理に挑戦することにした。ここは
現地の人にも人気があるようで２０分ほど待たされる。アメリカで待って飯を食うとは
夢にも思わなかった。
私は元来、小食なので小さな肉を選択。他の二人は違うものを選んだが、何とサトケン
が一番高い肉をオーダしやがった。が、一切れだけサトケンと交換して食べたが、やはり
高い肉の方がおいしい。が、私の肉も結構食えるじゃないか。ここは今後も活用させて
もらうことにしよう。
＜１１月４日（木）＞
今日はトレーニングの最終日。スズキさん、サトケンは明日までトレーニングである。
もう書きたくないが、やはりランチは不味い。今日もサンドウィッチが出たが、普遍の
不味さである。
クボタさんは朝食にハムとパンを食べるのが好きで、毎朝食べているとのこと。
複数枚のハムを食べようとすると奥さんに怒られてしまうので、ハムを何枚も挟んで
食べるのが夢だったらしい。が、ここで出されるサンドウィッチは少なく数えてもハム
を７枚は挟んである。
クボタさん：「こんなにたくさんハムを挟むことを夢にまで見てましたが、とても
食べれません。こんな不味いハムは食べたことがありません。」
と泣いていた。
と、ここで意外なことが起こった。スズキさんとサトケンのトレーニングが何と一日
早く終了したのである。私よりも早く、である。ということは、明日は予定がフリーで
ある。元々私はヒマだったのだがひとりで出かけても仕方ないのでホテルで仕事でも
しようかと思っていたところである。
で、実は来週からツッチーがセキュリティサミットで来るので合流するのだが、一日
余裕をみているのでヨセミテ国立公園に行こうということになっていた。スズキさんと
サトケンも予定に空きが出たので「行きたい」ということになり、「まぁ２回行っても
いいか」と思い、明日行くことになった。
今日も不味いランチを食べた私たちは、夜は韓国料理（豆腐料理）に行くことにした。
８ドルほどで腹いっぱいである。キムチやご飯は食べ放題。これはおいしい。観光客等
はあまり来ないところで現地の韓国の人がほとんどだった。これは穴場である。タマイ
さんから教えてもらったのだが、本当にタマイさんは現地に詳しい。助かりました。
帰りに、スズキさんの要望でスターバックスに寄ることに。まぁ、普通のスターバックス
であるが、サイズがトールからしかないなど、やはりアメリカンである。
明日はヨセミテである。朝の５時半に出発の予定。早く寝ましょう。おやすみなさい。
＜１１月５日（金）＞ ヨセミテ国立公園
朝の５時半にホテルを出発。予定では４時間くらいのドライブである。スズキさんと
運転を交代しながら行くことにする。なお、公式ホームページの情報から、降雪のため
にタイヤチェーンが無いと通れない可能性があることがわかっていた。そこで前日に
オートバックスのようなパーツショップでタイヤチェーンを購入している。準備万端で
ある。こういうことは、私は仕事よりも何よりもマメである。
１０１を南下しギルロイから東に向かう。実は地図もタマイさんから借りている。何
から何までお世話になっている。感謝します。
途中、ガソリンを給油する。ヨセミテに近づくとガソリンスタンドが無いらしい。
早めの給油が正解だろう。アメリカのガソリンスタンドはコンビニが必ず併設されて
いるので便利である。というか、全てセルフなので店員がコンビニのレジを兼ねて
いるのである。
なお、ガソリンスタンドにもよるが、トイレには自由に入れないようになっている
ことが多い。多分、麻薬などの犯罪を防ぐためではないかと思うが、レジで鍵を借り
てから入らないといけない。で、内側から施錠できないようになっていることも多い。
トイレ自体は節操が無いほど広いので、とても用を足しながらドアを持っておくこと
ができない。なので、いつ開けられるかビクビクしながら用を足すことになる。小便
であればまだいいが、大便などはとてもできないと思う。
さぁ、走り出そう。途中の風景も壮大である。どこまでも続く穀倉地帯にもびっく
りするが、山肌などが日本のそれと違うのも印象的である。あまり木が生えていない
山が多い。
いよいよヨセミテに近づいてきた。景色が変わってきた。切り立った一枚岩の渓谷
に囲まれた道をひた走る。ヨセミテ国立公園のゲートに到着。２０ドルの入園料を
払う。一番、景色が綺麗なところは「グレイシャーポイント」なるところだと聞いて
いたのでゲートで尋ねてみると、降雪のため道路が閉鎖されているとのこと。
「４マイルトレッキングという道を登ればいけるよ」
と言われたが、雪山を４マイルも登る勇気は無い。あきらめることにする。
ヨセミテ国立公園の中は本当に素晴らしかった。普通にお土産物を売ってある店や
食材品などが完全に揃っているかなり大きなスーパーもある。案内書みたいな所で
「今日は熊が出ます」
などと恐ろしいことが書いてあったが、熊が襲ってくることは無いらしい。が、
夜に車に食べ物を置いたままにしておくと車が被害を受けるので注意する必要がある
みたいだ。
車を降りて少しトレッキングしてみる。湿原地帯や水量豊かな滝など、ちょっと
歩くだけで景色が素晴らしい。普通は泊まりで訪れる場所のようである。確かに
ドライブでの日帰りではもったいない気がする。
郵便局もあるが、とても趣がある。特に観光と関係なく普通に存在している郵便局
であるが、それがまた良い味を出している。
帰りの時間を計算して３時前には現地を出ることにする。途中、車を停めて眠っ
たりしたが無事にサンノゼに到着。今日は近所の中華料理屋で食べることにする。
普通の中華料理である。まぁまぁ美味しい。
明日はスズキさんとサトケンが帰国する日である。私が空港まで車で送っていく
ことになっている。その翌日にはツッチーとフジタニさんが来ることになってい
るので、お迎えである。
＜１１月６日（土）＞
朝の８時半にホテルを出発し、１５分ほどで空港到着。あっという間に手続きが
終了する。サンノゼ空港は、手荷物検査場を超えないとお茶をしたりする場所が
ほとんどない。なので、ここで別れて私は戻ることにする。
今日は体調が悪く熱があるようである。ホテルに戻り、薬を飲んで寝ることに
する。ずっと寝続けて、夜に一度目覚めたが、睡眠導入剤を飲んで再度眠りに
ついた。ちょっと疲れが貯まっていたのかもしれない。
＜１１月７日（日）＞
今日はツッチーとフジタニさんがサンノゼ到着である。ツッチーとは一緒に
セキュリティサミットに出ることになっている。フジタニさんはCCIEの試験の
ためのサンノゼ入りである。フジタニさんは帰りの時間が私たちと違うことが
予想されるため、ライトレールという電車の駅に近いホテルを選んでいる。
到着は朝の１０時くらい。そのままホテルに行っても寝てしまって時差解消が
難しくなるため、サンフランシスコに繰り出すことにする。まぁ、一週間前と
同じである。今回は、あのアルカポネも収監されたというアルカトラス島の刑務所
を見学しようと思っていたが、日曜日でもあり、もうフェリーのチケットが完売
しているとのこと。残念であった。
フジタニさんをホテルに送り届けて、ツッチーと晩御飯を食べにいくことにする。
実は事前の情報でツッチーには「飯がめずくて食べれない」と流している。が、
ツッチーは「自分はアメリカンな食事でも大丈夫です」などと大口を叩いている
有様である。散々不味いもとを食わせてやろうかと思ったが、一緒にいる私も
不味いものを食わないといけない。それは勘弁して欲しい。しかも一週間の滞在
で私にも知恵が付いている。まぁ、美味しいものを食わせてやろう。
ということで、実績のあるOutbackのステーキ屋に行く。45分ほど待たされたが、
その間はショッピングモールで時間をつぶす。ここのステーキは安心して食べれる
のだが、私としてはツッチーに不味いものを食べさせたくて仕方ないのだ。フィレ
肉などを食べたツッチーは
「美味しいですよ。僕はアメリカでも十分に生きていけます」
などとふざけたことを言っている。オレが十分にリサーチした結果で美味しいもの
を食べているだけなのに。
明日はツッチーと再びヨセミテに行くことになっている。早く寝ることにしよう。
＜１１月８日（月）＞ ヨセミテ国立公園２回目
朝早く出発。一度通った道なので特に迷うこともない。朝ごはんを食べていない
ので途中のセブンイレブンで何か食べれるものを買うことにする。カステラという
か、パンケーキというか、何の食べ物かわからないのだが買うことにした。が、
はっきり言って不味い。甘すぎるのである。砂糖を食べているようなものである。
ツッチーも同様である。何とか全部食べきったが拷問のような感じである。こちら
に来てからずっと食べ物には悩まされている。ツッチーも少しは思い知ったようで
ある。
問題なくヨセミテに到着したが、天気が悪くハーフドームは雲に隠れている。
ツッチーは、はしゃいで岩でごつごつしているところを降りていってしまった。
「水が冷てぇ」などと叫んでいる。まるで子供である。
前回のヨセミテ行きでは調査不足のため行かなかった「トンネルビュー」に行く
事にする。車を降りると無茶苦茶に寒い。日本の真冬の感覚である。が、さすが
アメリカである。半袖で来ているバカもいる。
景色は本当に素晴らしい。渓谷が全て見渡せる。ハーフドームが雲で隠れている
のはとても残念だが、それはそれでまた趣きがある。雪がかかっている岩山もある。
デジカメで撮影しても、とても表現し切れないだろう。是非皆さんも一度はここに
来て欲しい。
途中、野生の鹿を発見。ツッチーと夢中になってデジカメ撮影しながら少しずつ
近づいていく。ギリギリまで寄っても逃げない。フレーム一杯で撮影することに
成功する。人間慣れしていると言えばそういうことかもしれない。あちこちにリス
もいる。よく観察すると２種類のリスがいるようだ。キツツキもいるぞ。
案内所で「今日も熊が出ます」と言っていたのでそれなりに緊張しながらトレッ
キングする。切り株など、全てが熊に見えてしまう。切り株の上にリスが乗っかっ
ていたのだが、リスが動いただけで二人とも熊だと思って逃げそうになる有様である。
程なく雨がぱらついてきた、山の天気は恐ろしいのでヨセミテを脱出することに
する。私は２回目だし十分に堪能できた。ツッチーも喜んでいるようである。
帰りは順調に進む。途中、これもタマイさん情報なのだが「In-N-Out バーガー」
が美味しいと聞いていたのだが、見つけたので入ることにする。注文で、店員さん
が何を言っているのかわからない。何度も繰り返してもらうが、やはりわからない。
まぁ、ハンバーガーなのでそんなに突拍子もないものは出てこないだろう。
モスバーガーのように注文してから作る方式のようだ。結構待たされたが、確か
においしい。アメリカでマックを食べたこともあるがあまり美味しくなかった。
が、「In-N-Out バーガー」はお薦めである。が、やはり量は多いので腹いっぱいに
なってしまう。
夜、ホテルに戻るとセキュリティサミットに参加するタカギさんが来ていた。
タカギさんは歯ブラシを持ってこなかったらしい。買いに行きたいということで
近所のスーパーまで連れていくことにした。確かに海外のホテルで歯ブラシを見た
ことがないような気がするが、時々見るような気もする。どうだったかな？
私はどちらにしろ粗悪な歯ブラシで歯を磨くと歯ぐきから血が出るので、滞在の
長い海外の場合は持参するようにしている。
明日からはセキュリティサミットである。今までのトレーニングは全て英語だった
のだが、明日からは同時通訳がつくようである。少し安心。
＜１１月９日（火）＞ セキュリティサミット第一日
朝８時半にシスコのEBC(Exective Briefing Center)に到着。ロビーで待っている
と国内他ベンダーの方も来ていて、挨拶される。あ、どうもどうも。
EBCは、いわばシスコの広告塔である。様々なシスコの機械が綺麗にディスプレー
されている。
会議室に案内されるが、そこでとんでもない事態が発生。前職時代の上司（部長）
が同じセキュリティサミットに来たのである。実は現職に転職したあとに部長宛に
挨拶のメールを出したのだが、約一年後にメールボックスを整理していて、その
メールが未送信になっていたことに気が付いたのである。一年も経過しており、
どうしようか困惑しているうちに、今に至っている。すぐに非礼を詫びた。申し訳
ありませんでした。
サミットの内容は非公開とします。興味のある方はシスコを扱いSIベンダーに入社
して、参加のタイミングをお待ち下さい。
さて、サミット中は軽食や飲み物はフリーである。ここで、ツッチーが暴挙に出た。
「全ての種類をひと通り食べてみないと気が済みません」
などと言って、クッキー類を全て皿に取っている。
結果は。。。
「どれを食べても同じ味です。甘くて食べられません。参りました。」
とのこと。そーだろ、そーだろ。タカギさんは、訳のわからない飲み物を不審そうに
しながらも飲んで
「イソジンみたいな味です。」
と言っている。不味いのだろう。普段、イソジンを美味しく飲んでいるのであれば
別であるが。
楽しみのランチの時間である。何が楽しみかというと、どんなに不味いランチを
この一週間食べて苦しんできたのか、ツッチーに思い知らせる時がきたのである。
が、何とこのサミットには明らかに単価の高いランチが用意されていたのである。
私が食べても美味しく食べれる。嬉しいのかがっかりなのかよくわからないが、
少なくとも美味しそうに食べているツッチーをみるのは悔しいものである。
一日目のサミットは終了。夜は居酒屋に行くことにする。「居酒屋」という名前
の居酒屋である。カウンターで食べる寿司もあり本格的である。メニューも日本の
居酒屋よりも多いくらいであろうか。私は運転があるので酒を飲まないが、乾杯。
とても美味しく食べることができた。普通のメニューが並ぶ中に、海外ならではと
いうエグイ名前のものがあるので、ツッチーは喜んでそういうのばかりを注文して
いく。これがまた美味しいのである。十分に堪能できた。
＜１１月１０日（水）＞ セキュリティサミット第二日
サミットの内容には触れないことにしよう。最新のアップデートもあり、有意義
であることには間違いない。まぁそういうことにしておきます。
サミットの会場からはVPN経由で会社に接続することができる。が、突然、会社に
接続できなくなった。ある用件で会社のカトウさんとメールでやり取りしたいのだが
できずに困ってしまう。Niftyの個人メールから状況を伝えると、カトウさんも自宅
から接続できなくて困っているとのこと。ただ、カトウさんは会社のRASにダイレクト
に接続できるので、そこから会社のIT担当に状況解析のお願いをしたようである。
明日には修復できるであろう。と思っていたら数時間後には自然復旧したようである。
まぁ、深く突っ込まないことにする。
昼休みにシスコのお土産グッズが置いてある売店に行く。シスコのロゴが入った
様々なものが売っている。私はバス釣りをするのでキャップを購入。あとはマウス
とタンブラーを購入した。マウスは大変おしゃれである。２個購入したので、どう
しても欲しい人は申し出てください。審査の上であげるかどうか決定します。
夜、夕食の前に近所のショッピングモールに行く。と、パトカーが停まっていて、
ツッチーが興奮している。何でも息子さんが大のパトカーマニアということである。
彼自身も好きなのであろう。そばにいたポリスに撮影の許可を得ようとすると、
パトカーのボンネットに座れ、とのこと。記念撮影をしてやる、と言っている。
ツッチーは完全に子供の表情である。彼の部下に見せてあげたいものである。
パトカーよりも何よりも彼の表情をデジカメで撮らなかったのが悔やまれる。
モールで少しお土産を仕込んでから例の韓国料理に行くことにする。やはり美味
しい。私はサンノゼに来たら必ずここに来るだろう。
＜１１月１１日（木）＞ セキュリティサミット最終日
やっと、２週間にわたる出張の最終日。今日の夜はイタリアンレストランで
パーティである。
ランチに、あの伝説のサンドウィッチが出たが、単価の違いなのだろうか、普通
に食べることができてがっくりである。クボタさんにも
「アメリカにも食べることができるサンドウィッチがありましたよ」
と教えてあげたいものである。
さて、パーティに向かおう。場所はパルアルトである。あのスタンフォード大学
のある地域で、数年前にも訪れたことがある。とても治安の良い街で雰囲気もよく
私も大好きなところである。
が、パルアルト周辺は注意しなければいけないことがある。１０１のEastはとても
治安の良い住宅地なのだが、Westはとても治安が悪い。私も数年前に迷い込んで
怖い思いをしたことがある。誰に聞いても
「そこに行けばヤバイとすぐに感じる地域です」
というが、全くその通りであった。
という話しをしながら間違えないように１０１からWestの地域に降り、信号を
待っていると、突然、浮浪者風のおっさんが道路脇から飛び出してきて、私の前の
車に近づいて何かをしようとした。その車は事無きを得たようであったがいわゆる
当たり屋なのであろうか。全く物騒である。
車を停めて少し街を散策する。本屋があったので入ったが、CD屋も兼ねている。
Unityというアルバムがあったのでウチノさんに買っていこうとか、大盛り上がり
をしたが内輪受けなので気にしないでください。
どうやらここでもツッチーは、目の色を変えている。何だかよくわからないので
あるが、アニメマニアであるツッチーは目ざとくアニメのコーナーを見つけてメロ
メロになっている。何冊か購入したようである。
ほどなくしてパーティの時間だ。ここぞとばかりに名刺交換を頑張ることにする。
ここで名刺を切らせてしまったバカなビジネスマンがいることが名前は報告しない
ことにしよう。私は全員と名刺交換完了。お疲れ様でした。
このパーティはAVVIDパートナーというシスコの協賛企業(?)がお金を払うことに
なっているのでタダである。私はワインなどに特に興味がない（過去の出張報告参照）
のでどうでもよかったのであるが、このお店は良質なワインを揃えているらしい。
ある企業の方はここぞとばかりに高いワインを開けていた。２万円以上するらしい。
素人の私でも高級だとわかる値段である。
メニューは選択性になっているが、よくわからない。何度も店員に聞き直して
やっと注文完了。料理はまぁまぁ。貧乏育ちの私は味がよくわからないのである。
が、やはりデザートが甘すぎる。食べれないよ。
ふと、出されたコーヒーを飲もうとして驚いた。人間工学を無視した設計である。
並外れた怪力がないと、カップを持ち上げることができない。画像をよく見て欲しい。
ソーサーが邪魔をしてうまく力を入れるように中指を添えることができない。全く、
これを設計したバカは誰だろうか。私がまずはじめに気づいてあまりのおかしさに
爆笑しながらタカギさんにやってもらったらやはり持てない。タバコから戻って
きたツッチーにやってもらうが、何か引っ掛けがあることを警戒してなかなか持とう
としなかったが、持った瞬間にツッチーも大爆笑。今回の２週間に渡る出張を通して
一番笑った瞬間であった。
パーティも無事に終了。ホテルに戻り荷物をまとめる。やっと帰国である。
お疲れ様でした。
＜１１月１２日（金）＞ 帰国日
チェックアウトを済ませ空港に向かう。レンタカーリターンで車を返却する。
前述した通りに２週間ずっと借りっぱなしで日本円で約８万円である。アメリカ
では車がないとメシを食いに行くにも困るので私は必ずレンタカーを借りるこ
とにしている。便利とかそういうことよりも、出歩くことが危険なので車が一番
安全だと信じている面もある。
空港に到着。搭乗手続きを済ませ、手荷物検査を受けるがとても厳しい。靴は
全員が脱がされて、パソコンは開けられる。まぁ、とんでもない事件があった訳だ
から当然だろうか。
お茶をして時間をつぶすが、何と機材の故障のため２時間ほど出発が遅れるとの
こと。まずい。私は成田から福岡に乗り継ぐ予定だが、元々の時間では余裕であった
のだが２時間も遅れるとギリギリである。JALからJALの乗り継ぎであれば、予約を
持った会員が乗り継ぎをすることは成田でわかっているので適切な案内をしてもらえ
るが、AA便のコードシェアなのでそこまで気を回してくれるだろうか。あぁやだやだ。
心配しながら移動するのはつらいなぁ。
約２時間遅れで何とか出発。あとでCAさんに話しを聞くと結構深刻なトラブルらし
く、CAさんたちでも「今日はフライトキャンセル」だと思ったそうである。まぁ、そ
う意味ではラッキーだろうか。西に向かうフライトは風の影響で長くかかる。映画
などを見ながら何とか耐えて成田到着。飛行機の中からJALのグローバル窓口に連絡
し、乗り換え時間が微妙であることを伝えると
「機体を出たところで案内するものが待っております。心配なさらないで下さい」
とのこと。一応安心したが、JALのことだからわからない。またやらかしてくれるかも
しれない。などと心配していたが、やはりやってくれました。案内する人がいなかった
ので再度電話すると、「AA便の場合は、普通は待っていません」などと言いやがる。
間に合いそうだからもういいよ。許してやろう。
無事に入国審査、税関を通って、国内線ターミナルへ。そこにカトウさんから
携帯に電話が入る。用件は秘密である。ちゃかちゃかとメールなどをして、息つく
ヒマもなく福岡便へ乗り込んだ。
今回の出張は試験ではなく、ある意味では楽ではあったが仕事である限り、成果を
持ち帰らないといけないことは共通であり、あまり気を抜くこともできなかった。
そう偉そうなことを言いながらも二回もヨセミテに行ったのは気にしないで頂きたい。
次のガレージ兵頭の更新はベルギーへの試験出張になるだろう。現時点では３月の受験
予定である。
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